一関・平泉

秋空の下いざ出陣 唐梅館絵巻武者行列、軍議再現 東山【一関】

第21回唐梅館絵巻で軍議に集結した武者を前に口上を述べる総大将役の佐藤さん(中央)

 天正18(1590)年の小田原参陣に関わる軍議を現代に再現する第21回唐梅館絵巻(実行委主催)は24日、一関市東山町の唐梅館総合公園で開かれた。秋晴れの下、総勢333人の武者らが集結した軍議が行われ、市内外から訪れた観客が400年以上の時を超え、鮮やかによみがえった歴史絵巻を堪能した。

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 唐梅館絵巻は、豊臣秀吉の通達による小田原参陣について葛西氏重臣千葉一族の本拠地唐梅館に磐井、胆沢、江刺、気仙、本吉、登米などの諸将が集まり、秀吉の命に従うか否かの軍議を行う様子を再現する催し。秀吉の命に従わないことを決し一族は秀吉軍を迎え撃とうとしたが、大軍を前に敗れ400年も続いた一族は滅亡に至った。

 第21回を数えた今年はこれまでの長坂商店街と唐梅館総合公園の2会場から全行事を同公園の1カ所に集約し新たな形で開催。総大将の千葉介広胤役には、同市川崎町出身の俳優佐藤智広さん(28)を迎えた。

 絵巻は東山こども園と松川保育園の園児たちの「ちびっこよさこい」でにぎやかに開幕。町内の女性たちによる総祝い千人踊り、景気付けの大勝餅まきに続き、往時の軍議参上行列が再現され、城主や家臣、若武者などに扮(ふん)した一行が園内の野球場から芝生広場までのコースを練り歩いた。

 芝生広場で行われた軍議では、集結した武者らを前に総大将役の佐藤さんが「築き上げたこの浄土を秀吉に踏みにじられてなるものか。秀吉の軍勢に立ち向かい、千葉一族の意地を見せようぞ」と力強く出陣の口上を述べ、居並ぶ全員が声を合わせて「エイ、エイ、オー」と気勢を上げた。

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