一関・平泉

オゾン活用し循環水浄化 陸上養殖システム考案 上野さん(一関高専専攻科)優秀賞 NEDO起業支援NEP―Lab

NEP―Labねぷらぼ優秀賞のプレートを手にする上野さん(右)と荒木校長

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による起業支援事業の一環で実施されたピッチイベント「NEP―Labねぷらぼ」で、一関工業高等専門学校専攻科1年の上野裕太郎さん(21)による「地域の未来を築く陸上養殖」が、全国2位に相当する優秀賞を受賞した。オゾンを活用して水を交換せずに水質を浄化する陸上養殖システムが高く評価された。上野さんは受賞を喜ぶ一方、既にオーダーメードによる事業化にも着手しており、システムの普及に力を入れていく。

 上野さんは、2023年度「研究開発型スタートアップの起業・経営人材確保等支援事業 ディープテック分野での人材発掘・起業家育成事業(NEP)」の開拓コースの事業実施者に高専生としては唯一選出された。NEDOから支援を受けながら33人が研究開発を進め、2月に活動の成果発表としてピッチイベントが行われた結果、上野さんが優秀賞に輝いた。

 上野さんは世界的な食の問題解決を目指してシステム開発に着手し、水を頻繁に替える必要がない閉鎖循環式の構造を考案。オゾンを使って殺菌など浄化、循環させることで水質を一定に保つことができるという。これまでの陸上養殖では大規模な施設が必要で費用も掛かっていたが、今回のシステムでは構造が簡略化されてコスト削減も実現できるとしている。

 開発に当たり、北海道から沖縄まで全国各地の養殖現場などに足を運び、いかに使いやすくするかを考えてきたという。

 既に水産業と温浴施設、運送業の3者からオーダーメードの予約を受けており、本格的な事業化に入る。当面は上野さんが代表を務めるNext IWATEで事業を進めるが、24年度末までに新会社を設立させる見込み。

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