県災害対策本部を設置 気仙で相次ぐ山林火災受け【岩手】
26日午後1時すぎ、大船渡市赤崎町合足地内の山林で火災が発生した。気仙地域で相次ぐ火災を受け、県は同日午後3時50分に達増拓也知事を本部長とする災害対策本部を設置。関係機関や自治体などと連携し、被害拡大の防止に全力を尽くす。
気仙地域では、19日に大船渡市三陸町綾里、25日に陸前高田市小友町でそれぞれ山林火災が発生し、合わせて約332ヘクタールを焼損し26日正午までにいずれも鎮圧が宣言されていた。
県警によると、大船渡市赤崎町合足の山林火災は、同市三陸町綾里を含め複数箇所で発生。複数の住宅に延焼したとの情報がある。県の同日午後4時現在のまとめによると、焼損面積や人的・物的被害については調査中。大船渡市の873世帯2114人に避難指示が出されている。
達増拓也知事は同日県庁で開いた災害対策本部会議で、人命を第一に人命・住宅被害の情報収集と火災の早期鎮圧に努めるとした上で、県民に対し「乾燥が続いている地域が多く、火の取り扱いに十分注意してほしい」と呼び掛けた。
県は同日午後7時、災害救助法を適用した。
陸前高田市小友町で25日に発生した山林火災について、同市と大船渡市は26日、延焼の危険がなくなったとして鎮圧を宣言した。県によると、焼損面積は25日午後5時現在で約8ヘクタール。今後、鎮火に向けた確認作業が進められる。
地元消防などによると、26日午前6時ごろから両市の消防や警察など130人以上が地上で消火活動に当たったほか、自衛隊と岩手、宮城両県の防災ヘリの計4機が上空から散水。延焼の危険がないと判断し正午に鎮圧を宣言した。これに伴い、両市合わせて233世帯546人に出されていた避難指示は解除された。
同日は陸前高田市の小友小学校と小友保育所、大船渡市の末崎小学校と末崎中学校で臨時の休校(休園)措置が取られた。今回の火災による人的被害はなかった。