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北ミサイル発射 県、情報連絡室設置 一時緊張、被害なし【岩手】

北朝鮮の弾道ミサイル発射を受け県庁で情報収集に当たる県職員=29日午前7時41分

 29日早朝の北朝鮮の弾道ミサイル発射を受けて、県は県情報連絡室を設置し、職員が市町村の被害状況を確認するなど情報収集に追われ、一時緊張が走った。県内では、登校時間を繰り下げた小中学校もあり、交通機関に遅れが発生した。本県の被害は確認されていない。

 ミサイル発射を受けて県では、総合防災室を中心に職員が県庁に駆け付けて対応に当たり、午前6時45分に県情報連絡室を設置。職員22人態勢で市町村の被害や全国瞬時警報システム(Jアラート)作動などについて情報収集を行った。

 午前8時15分には各部局と県警、盛岡市の担当者による連絡員会議が開かれ、現状の対応について情報共有を図った。

 県では県内の被害がないことから、同日午後3時に県情報連絡室から通常の24時間危機管理警戒体制に移行した。

 県によると、県民の生命や身体、財産に重大な被害が生じるなどの危機が発生、または恐れがある場合に対処する県情報連絡室の設置は初めてで、県内33市町村でJアラートが正常に作動したという。

 このほか、県警は県警国民保護対策連絡室を県警本部に設置し、県下17署を含め計約580人態勢で対応した。

 学校関係では、県教委などによると、盛岡、洋野、陸前高田3市町の小中学校計10校で、登校時間を1~2時間繰り下げる対応を取った。

 交通機関では、JR盛岡支社によると、東北新幹線をはじめ、県内の在来線も安全確認のため、一時運転を見合わせた。東北新幹線で上下各7本に最大33分の遅れが生じ、約7400人に影響が出た。在来線では東北、北上、釜石など6路線で計18本に遅れが生じ、約4280人の足が乱れた。

 内閣官房ではホームページなどで、弾道ミサイル発射時の行動について、速やかな避難行動や正確な情報収集のほか、▽近くの頑丈な建物や地下に避難する▽物陰に身を隠すか地面に伏せ頭部を守る▽できるだけ窓から離れる―を呼び掛けている。

 県総合防災室の石川義晃室長は「行政などの情報に注意するとともに、飛翔(ひしょう)体や落下物など不審な物を見つけた場合は、近寄ることなく、最寄りの消防本部、消防署に連絡してもらいたい」としている。県民に大きな不安与えた達増知事がコメント 今回のミサイル発射は、一連の国連安保理決議に違反するものであり、ミサイルが通過した地域に近い本県県民に大きな不安を与えるものである。このような行為は大変遺憾であり、強く抗議する。北朝鮮が今後さらに国連安保理決議違反などの暴挙に出ることのないよう、国においては国際社会と連携し、国民の安全の確保に万全を期すよう求めていきたい。

「県民に大きな不安与えた」達増知事がコメント

 今回のミサイル発射は、一連の国連安保理決議に違反するものであり、ミサイルが通過した地域に近い本県県民に大きな不安を与えるものである。このような行為は大変遺憾であり、強く抗議する。北朝鮮が今後さらに国連安保理決議違反などの暴挙に出ることのないよう、国においては国際社会と連携し、国民の安全の確保に万全を期すよう求めていきたい。

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