一関・平泉

継承へ決意 「本寺地区神楽」始動【一関】

「本寺地区神楽」として伝統芸能を受け継ぐことを誓う佐藤ひろのさん(左)と妹の岡ひかりさん

 今月末で閉校する一関市厳美町の本寺中学校の鶏舞「本寺中学校神楽」継承に向け、本寺中学校卒業生による鶏舞を愛する会は25日、4月1日に「本寺地区神楽」として新たなスタートを切る結団式を同校で行った。地域住民らを前に、伝統芸能を受け継ぐ決意を表明した。

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 本寺中学校神楽は、1989年に学区内の本寺、瑞山、小猪岡の3地区の鶏舞を合わせて創設。生徒が踊り継ぎ、地元の国史跡・骨寺村荘園遺跡での稲刈り体験交流会や地区民運動会などで披露してきた。

 閉校後を見据え、2017年7月に卒業生有志が愛する会を結成。代表の佐藤ひろのさん(31)=同市銅谷町=を中心に、一関夏まつりでの出演など地区外でも活動を展開してきた。

 結団式には、愛する会のメンバーや本寺中生徒、地域住民ら約60人が出席。神楽の衣装や道具一式を本寺中の畠山育王教諭から受け継いだ佐藤さんは「本寺地区神楽を踊り続けることを約束する」と誓い、卒業生5人や生徒5人と共に鶏舞を上演した。

 本寺地区神楽は、本寺中生や卒業生ら10~70代の18人で発足。佐藤さんが代表となり、本寺中学校神楽胴取で本寺地区地域づくり推進協議会長の佐藤勲さん(74)が相談役になる。愛する会は、在学中に本寺中学校神楽を踊った卒業生が対象だったが、本寺地区神楽には誰でも加われるようになる。

 4月以降は複数の出演依頼があり、初めて一関地方以外でも披露する予定になっている。昨夏の錫杖(しゃくじょう)に続き、かぶとを直すワークショップも計画している。

 愛する会代表として半年余り奔走してきた佐藤さんは「やっとスタートラインに立てた。今後も踊り続けていく気持ちが子供たちに伝わればうれしい」と期待し、「進学や就職で本寺を離れた人がいつでも戻ってこられるようにしたい」と決意を示す。

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