一関・平泉

記憶 風化させない 県南局 災害遺構の案内板設置 岩手・宮城内陸地震10年【一関】

岩手・宮城内陸地震発生から10年を迎えるのを前に、国道342号に設置された災害遺構の案内板(左)=一関市厳美町、災害遺構から東側21キロ地点

 2008年6月14日の岩手・宮城内陸地震発生から10年を迎えるに当たり、県南広域振興局一関土木センターは11日、一関市内の国道342号沿い4カ所に災害遺構の案内板を設置した。地震で落橋した旧祭畤大橋など、当時の被害を今に伝える災害遺構を多くの人に見てもらい、記憶の風化を防ぎたいとしている。

 案内板は縦1・96メートル、横40センチ。白板に青字で「祭畤災害遺構」、その下部に現在地から災害遺構までの方向と距離が記されている。設置場所は旧祭畤大橋から▽東側23キロ(東北道一関インターチェンジ付近)▽同21キロ(道の駅厳美渓から東側2キロ付近)▽同8キロ▽西側1・6キロ(いちのせき健康の森付近)-の地点。

 同日は小雨の中、業者による案内板の設置作業が各地点で行われ、既設標識に追加する形で重機で取り付けられた。

 災害遺構は同市厳美町の震源地付近にある。旧祭畤大橋をはじめ、祭畤被災地展望の丘、市野々原被災地展望広場などが保存・管理されている。現地では見学通路や説明パネルなどが整備され、地滑りやそれに伴う天然ダムの発生といった甚大な被害、その後の復旧状況を間近に見学できる。

 同センター道路河川環境課の小山隆春課長は「災害遺構のメインである旧祭畤大橋を見れば、地震被害の大きさに誰でも驚くと思う。後世に引き継ぐべき施設なので、道を少しでも分かりやすくするために案内板を設置した。記憶を風化させないよう、多くの人に訪れてほしい」としている。

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