被災地 あの日忘れず 各所で訓練、防災意識新た 岩手・宮城内陸地震10年【一関】
岩手・宮城内陸地震発生から10年目の14日、一関市では発生時刻の午前8時43分に「いちのせきシェイクアウト訓練」が行われ、市内全域で一斉に安全確認行動を取るなどして節目に防災への思いを新たにした。このほかにも、防災学習や情報伝達訓練なども行われ、大地震の記憶をつないだ。
2008年に発生した内陸地震は逆断層型の直下型地震で、最大震度6強を観測した。一関市と奥州市で2人が死亡、37人が重軽傷を負った。住宅、道路、橋梁(きょうりょう)、農地、温泉施設にも大きな被害があったが、復旧工事は完了している。
同日、一関市内では、シェイクアウト訓練や学校での防災学習、県建設業協会一関支部の訓練などが行われた。
このうちシェイクアウト訓練では、震度6弱の揺れが発生したという想定で、市内一斉に屋外広報マスト、FMあすも、藤沢告知放送で告知。告知を受け、学校や職場、自宅などで「まずひくく、あたまをまもり、うごかない」の安全確認行動をとる訓練が行われた。
一関市厳美町の厳美小学校(門間健一校長、児童131人)では、校内放送で地震発生が告げられると、児童が机の下に入り、安全確認行動をとった。その後には「避難訓練ふり返りカード」を記入した。
6年生の石川湧雅君(11)は「内陸地震は覚えていないが、東日本大震災の時は怖かった。地震が起きた時にはきょうの訓練を思い出して身を守るようにしたい」と話していた。
地震から10年に関連して、16日には一関市、東北森林管理局岩手南部森林管理署、本県主催の震災復興ツアーが、午前9時から行われる。
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