北上・西和賀

新製造棟が着工 東芝メモリ 最大規模、来年秋完成へ【北上】

工事の安全を祈願してくわ入れする成毛社長

 東芝メモリ(本社東京都港区、資本金100億円、成毛康雄社長)の岩手新製造棟起工式は24日、北上市北工業団地で行われた。新製造棟は2019年秋に竣工し、20年当初の稼働と同年内の量産開始を計画。3次元フラッシュメモリの生産能力を増強する、雇用規模1000人以上、総投資額1兆円を超す巨大プロジェクトが動き出した。

 建設場所付近の北部勤労者屋内運動場での着工式には同社や県、市の関係者、近隣住民、施工業者ら約80人が出席。成毛社長らがくわ入れを行い、成毛社長や達増拓也知事、髙橋敏彦市長らが玉串をささげ、工事の安全を祈願した。

 終了後、成毛社長は「約25年前、岩手東芝エレクトロニクス(現ジャパンセミコンダクター)で最初のNAND型量産品(フラッシュメモリ)生産を開始したこの地で、新製造棟を進めていくのは本当にうれしい。今後もメモリ市場で勝ち続け、地域社会発展に貢献していけるよう関係者一丸となって頑張っていく」と決意を述べた。

 達増知事は「世界最先端の新工場建設は大変喜ばしく、心から歓迎する。円滑な稼働に向け北上市と共に必要なインフラ整備、人材育成確保定着など最大限のサポートをしたい」と全面支援の姿勢を強調した。

 新製造棟は敷地面積約15万平方メートル、高さ約50メートルの鉄骨造り5階建て、延べ床面積約20万平方メートルで、東芝メモリの製造棟としては最大規模という。

 地震の揺れを吸収する免震構造を採用し、最新の省エネ設備導入など環境面にも配慮。人工知能(AI)を活用した効率的な生産システムを導入する。今月10日から建設工事に入っており、来年春から完成箇所に順次設備を搬入する。

 3次元フラッシュメモリはパソコン、スマートフォンの記憶装置に加えAI、エンタープライズ用サーバ、データセンター向けを中心に利用拡大が見込まれる。東芝メモリは「中長期的な市場拡大に対応できる生産体制を四日市工場と連携しながら確立し、競争力強化を図る」としている。

 新製造棟の建設費は約1000億円。設備を含めると1兆円を超え、提携先の米国・ウエスタンデジタル社と共同出資する。来年度の雇用は新卒370人、中途140人、四日市工場からの異動300人の計800人を超え、最終的に1000人以上となる。

momottoメモ

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