奥州・金ケ崎

手作り紙芝居 市に寄贈 前沢・若葉会 図書館で貸出も【奥州】

寄贈した手作りの大型紙芝居「鬼の面こ」を上演する若葉会の髙橋代表(右から2人目)ら

 奥州市前沢の大型紙芝居を創る会「若葉会」(髙橋ハマ代表)は17日、15作目となる手作りの大型紙芝居「鬼の面こ」を市に寄贈した。地元出身の児童文学作家森田純(1931~2005年)の作品「娘の面コ」を原作に同会が脚色し、制作したもので、前沢図書館で管理し、市民らに貸し出して広く活用を図る。

 市役所前沢総合支所での贈呈式には髙橋代表(90)、脚本・脚色を担当した同会協力者の鈴木秀悦さん(76)らが出席。髙橋代表は「子供向きの物を作った。絵に迫力があって、皆さんの力を結集した作品になった」と出来栄えを語り、同支所の岸田貴美子総務企画課長補佐に紙芝居と上演用台本、読み聞かせ用音源を渡した。

 「鬼の面こ」は貧乏な一家の娘が奉公を終えて帰る途中に山賊たちに絡まれたが、奉公人たちのいたずらですり替えられた鬼の面が思わぬ役に立つ物語。贈呈後、髙橋代表らが出席者を前に作品を上演した。

 同会では2004年から大型紙芝居の制作を始め、1年1作ずつ作品化して寄贈を続けている。今回は70~90代の会員8人で9月に制作を開始し、会員1人が亡くなる悲しみも乗り越え、今月完成にこぎ着けた。今年度は市の市民提案型協働支援事業を導入し、同館の読み聞かせボランティア団体・前沢おはなし広場(菅原良子会長)とのコラボレーションで実施した。

 同会の大型紙芝居は17年度に延べ37件61作品、今年度(4~11月)に延べ32件69作品の貸し出しがあり、同館によると自治公民館や高齢者向けの「サロン」、福祉施設などでの利用で貸出数は年々伸びているという。

 「鬼の面こ」は19年1月5日から貸し出しを開始する。小野寺正幸館長は「大切に使わせていただきたい」と感謝し、前沢おはなし広場でも活用を予定している。

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