一関・平泉

花泉の集落・亥年 12年ぶり担ぐ 元朝参りへみこし製作【一関】

亥年にちなみ、イノシシのみこしを作った亥年集落の住民。12年ぶりに元朝参りで担ごうと張り切っている

 一関市花泉町涌津の亥年(いのとし)集落は、2019年の干支(えと)にちなみ、イノシシのみこしを担いで元朝参りを行う。23日に亥年生活改善センターで製作作業が行われ、集落民が12年ぶりとなる一大イベントを心待ちにしながら、みこし作りに励んだ。

 亥年集落は亥年前と浪打前の集落で構成され、「歩け歩け大会」と称して元朝参りを毎年行っている。来年は干支と集落名が一致するため、特別にみこしを担ぐ。夜明け前に同センターを出発し、集落内の山神様と庚申様の石碑を参拝した後、見晴らしの良い場所から初日の出を拝む予定。

 12年前は2体のみこしが作られたが、今年は子だくさんとされるイノシシの生態から、子孫繁栄を願って5体に増やされた。イノシシの体は飼料袋の裏紙で覆った籠や米俵で形作られ、竹の担ぎ棒に載せられた。さらに、笹の葉で耳を、厚紙で牙を、色紙や留め金などとテープで目鼻が付けられ、仕上げにほうき、わらを表面に貼り付けて毛並みが整えられた。

 集落の子供からお年寄りまでが手分けし、「かわいいね」「白髪にしよう」などと話し合いながら和気あいあいと作業を進めた。子供たちは、たくさんのうり坊をペットボトルで作り上げた。

 亥年集落公民館長の青沼益夫さん(67)は「最近は子供が少なくなり、空き家も多くなっている。みこしで集落の発展を願い、地域活性化を図りたい」と話していた。

momottoメモ

【元朝参り=がんちょうまいり】元日の朝、初詣すること。

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