奥州・金ケ崎

ゆかりの品にしのぶ人柄 後藤新平記念館企画展 親族ら寄贈資料32点【奥州】

後藤が自邸で愛用した小袖。後藤新平記念館の新収蔵資料の一つ

 奥州市立後藤新平記念館の新収蔵資料展「『アメリカ農園』と『ゆかりの人々』」は、同市水沢大手町の同館で開かれている。寄贈されたゆかりの品々が、水沢出身の政治家後藤(1857~1929年)の人柄や足跡、親族らとの温かな関係などをしのばせている。6月9日まで。

 2019年度最初の企画展。18年度までに寄贈された資料のうち、32点を紹介している。

 後藤の親族や後輩の家からの寄贈が中心。このうち後藤のいとこの次女・梅代と及川藤四郎夫妻は米国で当時最新の農業を学び、企画展の表題にもある「アメリカ農園」を水沢大鐘に開いた。後藤家とも親しく、頻繁な交流をうかがわせる寄贈品は今回の展示の多くを占める。

 後藤が自宅でくつろぐ際に身に着けた小袖は、没後に遺品として及川家に届けられた。アメリカ農園で撮られたとみられる後藤の子供2人の写真もある。

 梅代ときょうだいの石原廣光方からは、後藤が渡欧を前に自作・揮毫(きごう)した漢詩が贈られた。第1次世界大戦後の欧州を通し、世界の新しい動きを見たいという思いがしたためられているという。

 同館の中村淑子学芸調査員は「水沢にこれだけの資料が残っていたのは特に貴重なことだった。寄贈者との関係も知れば、より後藤を身近に感じられるはずだ」と来場を呼び掛けている。

 書簡や写真の一部は随時入れ替えて公開する。時間は午前9時~午後4時30分。月曜休館。

 問い合わせは同館=0197(25)7870=へ。

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