一関・平泉

70歳熱波師 来月デビュー 「同世代に勇気与えたい」 古戦場サウナ・パート社員熊谷さん【一関】

新たに熱波師としてデビューする熊谷さん

 サウナや宴会場を運営する一関市赤荻の古戦場商事(浅野裕美代表取締役社長)のパート社員熊谷秋男さん(70)は、サウナで利用客に熱風を送る「熱波師」として3月5日にデビューする。同社では既に20~30代の若手3人の熱波師が働いており、熊谷さんで4人目。ニックネームは「熱波熊谷」で、熊谷さんは「やる以上は精いっぱいやり、少しでも会社に恩返ししたい」と意気込んでいる。

 同社は本格的なサウナとして全国的に定評があり、県内では2カ所にしか常駐していない熱波師がいる施設として知られている。2021年にはサウナグッズを製作し、20代の若手社員2人が自ら発案、志願して全国のサウナを行脚して販売するなど、サウナに関連する話題が注目を浴びた。

 熊谷さんは、15年前から同社のホールスタッフとして勤務。熱波師になろうとしたきっかけは今月初め、浅野社長からの声掛けから。自身はさほどサウナに興味があったわけではなかったが「できるできないは別にして、やれるならばやってみよう」と考え、「自分のような世代が熱波師になることでみんなに勇気を与え、会社のためにもなるのではないか」と挑戦することにした。

 サウナストーンをあおぎ、熱した石に水を掛けて発生する蒸気「ロウリュ」が、サウナ客の頭からつま先まで当たるよう10分間タオルを振り、風を送るのが熱波師の仕事。同社のサウナは100度近くあり、かなりの体力勝負という。熊谷さんから見て孫世代の20代社員が熱波師の師匠となり、全国行脚で習得した技術を熊谷さんに伝授した。

 浅野社長は「長年見てきて、老若男女に愛されるキャラクターが生きるのではないかと思い、声を掛けた。既にSNS(インターネット交流サイト)では応援の声や『父世代の人が頑張っている姿に勇気をもらえる』などと反響がある」と期待する。

 熊谷さんは、初日の午後2時から同15分まで登場し、その後は毎週土日いずれかの月4回活動していく予定。

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