一関・平泉

一関高専チーム東北1位 大学生抑え逆転勝利 サイバーセキュリティ技術コン

学校に届いた表彰状を手に喜ぶ(左から)小池准教授、荒木校長、澁田さん、佐藤さん、千田教授
K―SEC拠点校 着実な成果

 東北地方の大学や高等専門学校の学生を対象とした「第2回セキュリティ・フォレンジック・ワークショップ」(東北管区警察局主催)のセキュリティ技術コンテストで、一関市萩荘の一関工業高等専門学校(荒木信夫校長)チームが見事1位に輝いた。同高専は国立高専機構のサイバーセキュリティ人材育成事業(K―SEC)拠点校として、コンピューターシステムを不正アクセスやウイルスなどから守る人材育成に力を入れており、関係者は取り組みの成果が着実に現れているものと喜んでいる。

 1位を獲得したのは、未来創造工学科情報・ソフトウェア系の佐藤汰樹さん(5年)と澁田隼也さん(4年)によるチーム「ドラゴンレール」。1月22日にオンライン方式で開かれたコンテストには東北地方の大学と高専から7チームが出場し、コンピューターに残された履歴や記録から発信情報や写真の撮影場所を解析して特定するなど、実際のサイバー犯罪捜査と同様の方法で行われた。

 「ドラゴンレール」は大学の強豪チームも参加する中、序盤こそ最下位と出遅れたものの後半に巻き返し逆転。後日、同高専に届けられた表彰状は、指導教員の千田栄幸教授や小池敦准教授が見守る中、荒木校長からねぎらいの言葉とともに2人に伝達された。

 表彰状を手に佐藤さんは「コンテスト開始直後は点数が稼げず焦りがあったが、落ち着いて解けそうな問題の回答を重ねることで1位をつかみ取ることができた。問題を解く上で必要な知識は汎用(はんよう)性のあるものなので、今後システムを開発する上でにツールに使ったり、脆弱(ぜいじゃく)になりやすい部分で注意したりと積極的に活用していく」。澁田さんは「正直、1位を取ることができると思っていなかった。大会で見えてきた弱点もあるので、今後はそこを改善してもっと良い成績を残せるようにしたい」と更なる意欲を見せている。

 K―SECは、官公庁や民間企業でインターネット環境を活用したIT(情報技術)が不可欠な現在、今後不足が見込まれるサイバーセキュリティーのスキルを備えた人材育成が狙い。全国の高専を五つに分けたブロックのうち、北海道・東北地方の第1ブロックでは一関高専が拠点校に選ばれており、演習環境の整備によるセキュリティー専門技術者に必要な高度技術を学ぶ取り組みが続けられている。

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